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さつきさん本の感想!オルタネート

オルタネート
加藤 シゲアキ

吉川英治文学新人賞、直木賞候補にもなった作品です。
NEWSのファンではないですが、デビュー作からほぼ読んでいるのに、
この作品だけは、主人公が高校生、マッチングアプリ等、あらすじだけ見てあまり興味がわかず未読でした。

今月発表の、本屋大賞にもノミネートされているので、遅まきながらも読んでみました。
結論から言うと、面白い!もっと早く読めばよかったと思いました。
NEWSのメンバーでいるのに、もう一芸無いと自信が持てないというきっかけで小説を書き始めた加藤君。
もう作家に転身してもやっていけます。

高校生達の真っ直ぐで清らかで熱い想い。
読んでいて、私も高校生に戻りたい。
適当に過ごしていたあの時代を、もっと色々な事に一生懸命になってやり直したいと強く思いました。
前に進むのを迷っている時に、きっと背中を押してくれる作品です。


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さつきさん本の感想!それでも、陽は昇る

それでも、陽は昇る
真山 仁

前作のロッキードがインパクトありすぎて、地味に感じてしまいますが。
今作は、ノンフィクションを織りまぜたフィクションです。

阪神、淡路大震災、東日本大震災を語り継ぐ活動を行い、被災にとっての本当の復興とは何かを探っていく話です。

「阪神、淡路では、あまりに復興が早かったために、もっとじっくりと考えるべきやったことの多くは不問に付され、やがて封印された。
そして、とりあえず都市としての機能を取り戻した段階で、復興完了となった」

「東日本被災地は、防波堤は続々と完成しているし、嵩上げも進んでいる。
大型ショッピングモールの誘致にも成功して、人の賑わいが戻ってきた」

でも現実は、今もまだ仕事がない人、仮説住宅で暮らしている人。
日常生活を取り戻せていない人がいっぱい。

毎年1月17日、3月11日
1ヶ月前ぐらいからメディアが震災を取り上げて始め、その日を迎えて、それで終わり。

被災後は、聞きたい事、知りたい事がたくさんあるのに、誰に問えばいいかが分からない
助けたいと思っても、知識がない。
そんな人たちに、1番アドバイスできるのは
似たような経験をした人たち、被災者たち。
被災した時のことなんて、何も覚えていない、何もかも夢中だったから。

でも、自分が失敗した事なら話せる。
あるいは、行政が、組織が失敗して酷い目にあったことなら、伝えられる。

「多くの失敗を記録し、語り継ぐことで、同じ過ちを繰り返さない」
最後の、この言葉が胸に突き刺さります。​


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さつきさんの本の感想!ロッキード

ロッキード
真山 仁

表紙に田中 角栄さん
総591ページと、単行本2冊分相当の厚み
外観も中身も、とてもインパクトのある本です。

丁寧に丁寧に取材、検証しています。
その内容に圧倒されました。

一部抜粋してみます。
そもそも角栄は、本当に5億円のカネを受け取ったのだろうか?という疑問だ。

検察は、4回にわたり合計5億円を榎本敏夫を介して、田中総理に渡したと主張。

4回に分けて?
最も人目を避けたい行為を、なぜ4回も繰り返すのだろうか。
そもそも5億円の札束は、車のトランクに充分収まるボリュームなのだ。
すべて現金授受は白夜堂々と行われている。

著者は供述通りに、実際にこのルートを車で走行してみると問題点続出です。
さらに、交通が麻痺を起こすほどの積雪があったという重大な事実が見落とされていたのです。
検察が調書作成の際に、この日の大雪を検証しなかったのも不可解である。

学力優秀だけど、家庭の事情で進学を諦めざるを得なかった角栄さんですが、代議士に当選したら、まず六法全書の暗記をします。
国民の生活を豊かにする法律の必要性を感じ、法を研究して議員立法を連発。
通産大臣時代は、毎朝陳情客の話をしっかり聞きます。
常に、政治は国民のものであると言っていた角栄さん。

一貫して、ロッキードという会社から、一円も受け取っていないと言い続けて、最後は脳梗塞で倒れてしまいます。

検察、アメリカ、色々なものに嵌められた説はありますが、政治家 田中角栄の息の根を止めたのは世論。

「かつて今太閤ともて囃した国民こそが、角栄を葬ったのだ」衝撃の一文です。

色々な事を考えさせられる本でした。
今期1番おすすめのノンフィクションです。​



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さつき本の感想!スター

スター
浅井 リョウ

著者が早大時代に「桐島、部活やめるってよ」で新人賞を取ったこの本を当時購入しています。
あれから10年、さすが10年。

大学時代に映画で賞を取った、尚吾と絋。
どっちが先に有名監督になるか、勝負だなと言って、卒業後の進路は別々に歩みます。

有名監督が所属する映画制作会社で、監督補助の道を選んだ尚吾。
フリーになった絋は、YouTubeから発信していき先に注目を浴び、映画評に取り上げられます。

まっとうで、上質で、古き良き日本映画の系譜を継ぐ人間は自分だと思っていた尚吾は、絋のやり方を認めません。
まじかよ、ふざけんな。硬派であることに定評があるのに、劇場公開されるわけでも、賞を獲ったわけでもない。
YouTubeに投稿されただけの動画を持て囃すのか。
自分が大切にしているものが脅かされている危機感。

一方の絋も、質より量。
面白いかどうかより毎日顔を見せてるかが大事。流行ってること、真似でもいいから毎日投稿しろと言われて戸惑います。
ないものをあるように見せるのは、違うような気がするんです。

尚吾の監督は言います。
作品を取り巻く環境はどんどん変わる。
時代と共に、映画の良し悪しを決める物差しすら。何もかもが容赦なく変わっていく。
その中で、変わらないように努力することができるものは
心。自分の感性。それしかない。

悩み、苦しんだ人達の言葉が心にしみます。
著者のそういった描写は、デビュー当時から上手でしたが、10年経ってますますパワーアップを感じた本でした。​


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さつき本の感想!サラ金の歴史

サラ金の歴史
小島 庸平

フィクションを読む事が多いのですが、お店のスタッフの方に、ノンフィクションのお勧めサイトを教えてもらいました。
批評を読んで、早速気になった本を3冊購入
まずは高評価だった、サラ金の歴史から。

サラ金が良か悪かという内容ではなく、あくまで中立を意識して書かれた本書。
タイトルの通り、歴史が延々と書かれています。
戦前期の高利貸しから始まり、
「サラリーマンにとって酒、マージャン、デートに使うお金は健全資金。
借金して遊ぶくらいでなければ出世できない」サラリーマン金融。
「団地の方なら信用させていただきます。
お電話一本で御希望の現金を届けます。
絶対極秘です」団地金融

創業者たちは徹底して表の金融にこだわり、アイデアを次々と出し、自分の足で動き回っていた。
後発になると、高い利率、過酷な取り立て。
自殺者増加で規制強化されます。

個人間金融から生まれたサラ金を肥大させたのは、日本の経済発展を支えてきた金融システムと、それを利用する私たち自身という言葉に驚きました。

膨大な参考文献、資料。
何と構想は15年前から始まっていたというのも、更なる驚きです。​



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